プライバシー重視のスマートビル管理プラットフォームの加速狙う
米スマートビル向けセンサー企業のButlrとノルウェー発IoTセンサー企業のDisruptive Technologiesは、プライバシーを重視した建物データAI分析ソリューションの提供に向けて戦略的提携を締結した。両社はそれぞれのセンサー技術を統合し、建物内の利用状況と環境データを同時に可視化できる「Building Intelligence」ソリューションを展開する。これによりオフィス、商業施設、医療機関などの施設管理者は、カメラや個人識別情報を使用せずに空間利用や設備状態を把握できるようになる。近年、ハイブリッドワークの普及や省エネ要求の高まりに伴い、建物の実際の利用状況に基づく運用最適化のニーズが急速に高まっており、両社はその市場を共同で開拓する狙いだ。
オフィスビル運用の最適化に向けて
今回の連携では、Butlrの人体熱センサーとAI解析プラットフォームに、Disruptive Technologiesの超小型ワイヤレスIoTセンサーのデータを統合する。Butlrのセンサーは人体の熱分布を検知し、人の存在や移動、占有率を匿名のまま把握できる点が特徴で、カメラを使わないためプライバシー保護に優れる。一方、Disruptive Technologiesは温度、湿度、ドア開閉、接触、モーションなどを測定するバッテリー駆動センサーを提供しており、建物の環境や設備の状態をリアルタイムで取得できる。両データを組み合わせることで、施設管理者は「人の動き」と「設備の状態」を同一プラットフォームで分析でき、清掃やメンテナンスのタイミング最適化、空調制御の効率化、スペース利用の改善などにつなげることが可能になる。
Disruptive Technologiesのアライアンス戦略
今回の提携は、Disruptive Technologiesが進めるパートナーエコシステム拡大の一環でもある。同社は近年、スマートビル管理、ヘルスケア、リテールなどの分野でソフトウェア企業やIoTプラットフォーム企業との連携を強化しており、センサー単体ではなくデータ活用基盤としての価値を高めている。クラウド管理型センサーと長寿命バッテリーを特徴とする同社の製品は、導入や運用の容易さから大規模施設での採用が進んでいる。Butlrとの統合により、人流分析と環境センシングを組み合わせた新たなスマートビルソリューションの提供が可能になり、両社は今後、グローバルな不動産オーナーや施設管理事業者への展開を加速させる方針だ。

