米X-energy、大型IPOを実施

Photo: X-energy

AI時代の電力需要を追い風に

米先進原子力企業のX-energyが2026年4月、米ナスダック市場に上場し、約10億ドルを調達する大型IPOを成功させた。人工知能(AI)向けデータセンターの急拡大によって世界的に電力需要が急増するなか、次世代原子炉への投資熱が一段と高まっている。X-energyは小型モジュール炉(SMR)と高性能核燃料を手掛ける企業で、今回の上場は「AI時代のインフラ銘柄」として市場の期待を集めた。同社は当初、1株16〜19ドルで約8億ドルの調達を計画していたが、需要の強さを受けて公開価格を23ドルへ引き上げた。売り出し株数も拡大され、最終的な調達額は約10.2億ドルに達した。初値は30ドルを超え、上場初日に株価は約3割上昇。時価総額は一時110億ドル規模に達したと報じられている。

Amazonが後押し SMR市場への期待拡大

X-energyは2009年創業の米メリーランド州ロックビル拠点の企業で、高温ガス炉型SMR「Xe-100」を開発している。従来型原子炉と比べて小型で建設期間が短く、安全性や柔軟性が高い点が特徴だ。さらに同社は、原子炉だけでなく独自のTRISO燃料も開発しており、燃料供給まで含めた垂直統合モデルを構築している。特に注目を集めているのが、米アマゾンとの関係だ。Amazonは2024年に約5億ドルを出資し、自社データセンター向けの脱炭素電源としてX-energyのSMR導入を進めている。AIモデルの学習やクラウド需要拡大によって巨大IT企業の消費電力は急増しており、安定供給可能なクリーン電源として原子力への関心が再燃している。X-energyはDowや英Centricaとも提携しており、商用案件を既に複数抱える点が投資家評価につながった。

「原子力復権」の象徴となるか

今回のIPOは、低迷していた米IPO市場の回復を象徴する案件ともみられている。X-energyは2023年にSPAC上場を計画していたが、市況悪化で撤回。その後、AIブームと電力需給逼迫を背景に再挑戦し、通常IPOで大型資金調達に成功した。市場では、同じく先進原子力分野のOkloやTerraPowerなどへの関心も高まっている。一方で、事業化にはなお高いハードルが残る。SMRは規制審査や建設コスト、燃料供給網など課題が多く、収益化まで長期間を要する可能性がある。X-energyも現時点では赤字が続いている。ただ、AIインフラ拡大と脱炭素化を両立する電源として原子力の重要性が増すなか、同社のIPO成功は「原子力復権」の流れを市場に印象づける出来事となった。

X-energy Announces Pricing of Upsized Initial Public Offering - X-energy
X-energy (NASDAQ: XE) announces the pricing of its upsized IPO. The advanced nuclear SMR leader begins trading on April ...
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