マイクロソフト、炭素除去クレジット購入を一時停止

Photo: Microsoft

業界を支えた巨額需要に急ブレーキ

米テック大手のMicrosoftが、炭素除去クレジットの新規購入を一時停止したことが明らかになった。関係者への説明として、同社は今後の購入を停止する方針を伝えているという。Microsoftはこれまで炭素除去市場における最大の需要家であり、累計で4,500万トン以上の除去クレジットを購入してきた。特に直近では、世界全体の購入量の約90%を同社が占めていたとされ、市場の形成そのものを主導してきた存在だった。

単一依存市場の脆弱性が顕在化

今回の停止は、黎明期にある炭素除去産業にとって大きな打撃となる可能性が高い。これまで同市場はMicrosoftのような大口企業の自主的な購入に依存しており、需要構造が極めて偏っていた。実際、次点の購入主体である企業連合でも累計規模は大きく劣り、市場は事実上「単一の買い手」に支えられていた。 そのため今回の判断により、プロジェクト開発企業やスタートアップの資金調達、さらには価格形成や投資判断にも不透明感が広がっている。

戦略見直しと気候目標の行方

もっともMicrosoftは、炭素除去への取り組み自体を放棄したわけではない。同社は声明で、ポートフォリオと市場環境を継続的に評価しているとし、「カーボンネガティブ」達成に向けた最適なバランスを模索していると説明している。 背景には、AIデータセンター拡大による電力需要増など、排出削減と成長の両立という構造的課題もある。今回の一時停止は、量的拡大を優先してきた炭素除去市場が、より持続可能で分散型の需要構造へ移行できるかを問う転機となりそうだ。

Scoop: Microsoft Is Pausing Carbon Removal Purchases
The tech giant had been by far the nascent industry’s biggest customer.
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