Ouro Medicinesの買収、抗ウイルス依存からの脱却を狙う大型投資
米バイオ医薬大手のGilead Sciencesは、スタートアップ企業のOuro Medicinesを最大約22億ドルで買収する契約を締結した。取引は約16.8億ドルの前払いに加え、最大5億ドルのマイルストーン支払いを含む。OuroはTPGやGSKなどが出資する新興企業で、今回の買収によりGileadは有望な免疫関連パイプラインを獲得する。HIVや肝炎など抗ウイルス領域を主軸としてきた同社にとって、成長領域への転換を加速させる重要な一手となる。
「免疫リセット療法」で治療パラダイム転換を狙う
買収の中核は、Ouroが開発する自己免疫疾患向けの次世代抗体にある。主力候補のgamgertamigは、異常な免疫細胞を除去し免疫系を再構築する「免疫リセット」という新しい概念に基づく治療法で、従来の対症療法とは異なるアプローチを採用する。溶血性貧血やシェーグレン症候群などへの適応が想定され、成功すれば自己免疫治療のあり方を変える可能性がある。またGileadはGalapagos NVと共同開発を進め、費用とリスクを分担しながら商業化を目指す。
成長鈍化を背景に進むポートフォリオ再構築
今回の買収の背景には、Gileadの成長戦略の転換がある。新型コロナ関連需要の減少や既存薬の特許切れにより、同社は収益構造の見直しを迫られている。近年はがん領域への投資も拡大しており、本件と合わせて「抗ウイルス中心」から「腫瘍・免疫」へと軸足を移す動きが鮮明になった。ただし、Ouroの技術は臨床初期段階にあり不確実性も大きい。成功すれば大きな収益源となる一方、開発リスクも抱える中、同買収はGileadの中長期的な成長を左右する重要案件となる。
