Andurilの宇宙防衛事業を加速
米防衛テック企業Anduril Industriesは2026年3月、宇宙状況監視(SSA)技術を手がけるExoAnalytic Solutionsの買収を発表した。買収額は非公表だが、規制当局の承認を経て正式に完了する見通しである。ExoAnalyticは、世界各地に展開する400基以上の光学望遠鏡ネットワークを活用し、人工衛星や宇宙デブリの追跡データをリアルタイムで提供する企業として知られる。さらに、ミサイル警戒や軌道解析に関する高度なソフトウェアも保有しており、米国防総省を含む政府機関との取引実績を持つ点が特徴である。こうした技術基盤は、急速に重要性が高まる宇宙安全保障分野において中核的な役割を果たしている。
宇宙空間のAI監視能力を強化する一手
今回の買収の狙いは、AndurilのAIおよび自律システムと、ExoAnalyticの宇宙監視データを統合することにある。Andurilは従来、指揮統制ソフトウェアや無人システムを中心に防衛ソリューションを展開してきたが、宇宙領域におけるセンシング能力は限定的であった。これに対しExoAnalyticの技術を取り込むことで、衛星追跡からミサイル警戒、戦闘管理に至るまでを一体化した「エンドツーエンド型宇宙防衛システム」の構築が可能となる。さらに、両社の人員統合により宇宙関連部門の規模は実質的に倍増し、開発スピードと運用能力の両面で競争力が強化される見込みである。
Golden Dome構想に向けた今後の展開
この動きの背景には、米国が推進する宇宙ベースのミサイル防衛構想、いわゆる「Golden Dome」への対応がある。同構想では、多数の衛星による常時監視とAIによるリアルタイム分析が不可欠とされ、宇宙状況監視データの価値が急速に高まっている。Andurilは今回の買収を通じ、単なる防衛機器メーカーから、宇宙領域を含む統合防衛インフラ企業への進化を狙う。今後は自社衛星の打ち上げや赤外線センサー開発といった宇宙事業の拡張も計画されており、防衛産業における「ネオ・プライム」としての地位確立に向けた動きが一層加速するとみられる。

