破綻した太陽電池メーカーの技術資産を取得
米国の次世代太陽電池スタートアップSwift Solarは、経営破綻したスイスの太陽電池メーカーMeyer Burger Technology AGの知的財産や関連資産を取得した。対象には、シリコン太陽電池の高効率技術として知られるヘテロ接合セルの特許ポートフォリオや関連製造技術が含まれる。今回の取引によりSwift Solarは、シリコン太陽電池の基盤技術と製造ノウハウを取り込み、米国内での太陽電池製造体制の構築を加速する狙いだ。Meyer Burgerは欧州系太陽電池メーカーとして高効率セル技術を持っていたが、価格競争や市場環境の悪化により事業再編を進めており、その技術資産の一部が新興企業に引き継がれる形となった。
シリコンとペロブスカイトのタンデムを視野
Swift Solarはペロブスカイト太陽電池の開発企業として知られるが、今回取得したHJT技術は同社が目指す「タンデム太陽電池」の実用化にとって重要な要素となる。タンデム太陽電池は、シリコンセルの上にペロブスカイト層を重ねることで、従来の単一材料のセルよりも高い発電効率を実現できる可能性がある。今回の買収により同社は、既存のシリコンセル技術をベースにしながら、将来的にペロブスカイト層を組み合わせた高効率セルの量産を目指す方針だ。同社はこの戦略により段階的に次世代太陽電池へ移行するロードマップを示している。
米国の太陽電池製造拡大の流れ
今回の資産取得は、米国で進む太陽電池製造回帰の流れとも重なる。近年は政策支援やサプライチェーン強化の動きを背景に、国内での太陽電池生産能力の拡大が進んでいる。Swift Solarは今回取得した技術と設備を活用し、まずはシリコン系HJTセルの製造能力を確立した上で、将来的にペロブスカイトとのタンデムセル生産へと発展させる計画だ。欧州の老舗メーカーが築いた技術を米国のスタートアップが取り込み、次世代太陽電池の量産につなげようとする今回の取引は、太陽光産業の技術移行と地理的再編を象徴する動きとして注目される。

