米プロジェクト・オメガ、使用済み核燃料のリサイクルと核電池開発でステルスモードを脱す
米Project Omegaは2026年2月11日、これまでのステルスモードを終了し、使用済み核燃料のリサイクルとそれを活用した長寿命エネルギー源開発を目指す新たな事業計画を公表した。現在、同社は米国で再利用されずに蓄積されている放射性核燃料を「戦略資産」に転換し、国のエネルギー自立と技術競争力強化に寄与する方針であると説明している。これまでとは異なる視点から核燃料サイクル全体の構築を目指す同社の発表は、政府機関やベンチャー投資家の関心を集めている。
核燃料の廃棄物を資源に再定義:技術と連携の全貌
Project Omega は使用済み核燃料を単なる廃棄物として扱うのではなく、長期間にわたり高密度の電力を供給できるベータボルタイック電池や核産業に不可欠な資材の原料として再加工する技術開発を進めている。現在、米国エネルギー省の先進研究プロジェクト庁(ARPA-E)と協力関係を結び、商業的に安全かつ実現可能なリサイクルプロセスの検証に取り組むほか、国立研究所であるパシフィック・ノースウェスト国立研究所(PNNL)と共同で核電源システム試験の実証を進めている。PNNL では、同社が開発するシステムからの電力生成の概念実証が進んでおり、宇宙用途などへの利用可能性も模索されている。
資金調達と戦略:民間投資と防衛分野への応用
同社は Starship Ventures が主導するオーバーサブスクライブとなったシードラウンドで計1,200万ドルの資金調達に成功した。このラウンドには Mantis Ventures、Buckley Ventures、Decisive Point、Slow Ventures など複数の投資家が参加しており、Project Omega の技術とビジョンへの期待が高まっている。CEO の Dr. Stafford Sheehan は、国防総省との契約も最終調整中であると明かし、軍用システムやインテリジェンス向けの「放射性電源」供給への道を開く可能性を示唆した。Sheehan は「核燃料を再利用することが、米国の技術的優位性とエネルギー独立の基盤となる」と述べている。

